食の有効利用
WBSで最新の食品の加工方法などを紹介していました。
- 東洋高圧
- 広島・西区
- 大学などの実験で使う超高圧機械。そのシェア45%のメーカーが、あるヒット商品を生んだ。
- 1年で約100台売れた食品機械。なかにはいっていたのは、魚がドロドロ。次にニンニク。ドロドロだが、緑色。新鮮なニンニクはそんな色とのこと。
- 商品名「まるごとエキス」480万円(2リットル)
- 1平方センチメートルあたり1トンという超高圧(水深1万メートルと同じ)をかけることで、その名のとおり食材をまるごとエキスにする。
- 酵素をいっしょに入れた魚が12時間後には半分とけている。24時間後にはドロドロの液体になって骨だけ残った状態。
- しょうゆメーカーに出荷するものがあり、完全に無塩でしょうゆをつくれる。
- しょうゆの発酵は通常約6ヵ月かかるが、24時間で可能(たんぱく質がアミノ酸に分解される)となる。腐食防止の塩も必要ない。
- 広島県食品工業技術センター
- 形を保ったまま食材をプリンのように軟らかくする。世界でも初めての技術。
- 実験開始。
- 一口大に切った冷凍のタケノコを準備
- ビーカーの中に酵素と調味料をいれ、その中に冷凍タケノコをいれる
- 理科の実験でみかける真空装置の中にいれる
- 減圧する
- タケノコから泡がでる
- 真空状態にして酵素を食材に均一に浸透させる。これを「凍結含浸」という。
- タケノコの味はするが、食感は別。プリンほどではないが、やわらかい。
- 「凍結含浸」
- かたさを制御して介護ビジネスに展開するため開発した。
- 流動食にかわる”食”として広がり始めている。
- 県立広島病院では、「凍結含浸」の食べ物をX線検査で使っている。
- 食べ物の形をしたものがどう消化器を通るかをX線で調べる。今まではゼリーやヨーグルトで行ってきた検査。今まで固形物で検査できなかったができるようになったのは大きい。
- 作ることも以外と簡単。真空装置と酵素があれば誰でもできる。
- 新しい家庭用調理器としても期待されている。
- さらに、硬くて利用できなかった肉捨てていたものが利用できる。農産物の未利用資源を使えるようになる。
- 熊本大学
- ちょっとした爆発音が聞こえる場所がある。そこでは、人工の雷で衝撃波を起こす実験。真空パックにしたりんごに衝撃波を与えると簡単にりんごをつぶすことができるぐらい軟らかくなる。スポンジのように果汁があふれてくる。細胞壁が壊れているため、スポンジのようになった。
- 衝撃波:音速を超える速さの波
- 水中に高圧電流を放電
- りんごのポリフェノールが5倍ぐらい普通のジュースに比べて多く出る。
- 今までは捨てていたものを抽出できる。
- 細胞を壊すので効率よく成分を取り出せる。
- 加熱をしないため栄養分も壊れない。
- 今までは爆薬を使って実験していたが、同じような現象を電気で起こせるようになったので、家庭用調理器に応用できるようになった。5月には試作機ができる予定。
- 記者:葉も衝撃波で食用にできるか?
- 教授:それを考えています。将来、量も足りない質も低下する中、有効に食料を摂取できる。
- 衝撃波を与えればパイナップルの芯まで食べられるので、食べられる部分が2倍になる。
- 東京大学の唐木英明名誉教授
- 捨てることをやめただけで輸入量を半分以下にできる
- 食料の輸入量は5800万トン
- 廃棄量は約2100万トン
- ゲストの御立 尚資(みたち・たかし)氏のコメント
日本の技術をうまく利用できれば食糧危機も回避できそうな気がしてきました。
そういえば、介護食のシェフをテレビで見たことがあります。「夢の扉」という番組で、サブタイトルが「介護食に革命を起こし、豊かな高齢化社会にしたい」。多田鐸介氏のサイトはこちらです。新技術を取り入れてくれることを期待します。