クスリで虫歯を治す!常識を覆す新治療法

「夢の扉」という番組で、痛くなくて基本的に1回で治療可能な歯の治療方法を行っている人。宅重豊彦(たくしげとよひこ)氏。61歳。

3Mix-MP法という歯科治療を行っている。従来の治療法と違うのは、歯を全く抜かないということ。

「抜歯は歯医者にとっては敗北である」

仙台で開業。埼玉、福島など遠方からの患者さんも。

  • 宅重豊彦(たくしげとよひこ)
  • 61歳
  • 東北大学歯学部卒業
  • タクシゲ歯科医院院長
  • 3Mix-MP法指導医
  • 28年前に仙台で開業
  • 18年前新しい治療法を開発
  • 虫歯とは、口の中に存在する無数の細菌が原因。細菌が食べかすから酸を作り、エナメル質を溶かして、象牙質は神経に進入することでおこる。
  • 従来の歯科治療では、細菌でおかされた部分をすべて削り取るのが常識。その際ドリルなどが歯の神経にふれることで激しい痛みをともなっていた。削り取った部分に詰め物。その型をとるために何度も歯医者に通うことになる。しかもこの方法だと、奥にまではいりこんだ細菌をすべて除去するには難しく、虫歯が再発する可能性もある。
  • 3Mix-MPという薬。治療は歯の患部に薬を少量おくだけ。歯を大きく削る必要がない。そのままセメントでふたをして治療は終了。
  • 宅重先生が開発した治療方法では、削り取るのは基本的にはエナメル質のみで、細菌におかされた象牙質や神経を削り取ることはしない。そのため麻酔の必要がない。そして、この薬が24時間で歯全体にいきわたり、患部を殺菌。やがて自己治癒力で虫歯が治る。これが3Mix-MP法である。
  • 薬には鎮痛作用があるため、痛みはすぐに治まる。
  • 虫歯が完治するのは平均6ヶ月。
  • 20年前に新潟大学の星野教授が学会で発表した「3Mix」と出会った。
  • 「3Mix」とは、3種類の抗生物質(ミノサイクリン、シプロフロキサシン、メトロニダゾール)を混ぜた薬。口の中全ての種類の細菌を殺すことができる。
  • 当初はなかなか効果がでなかった。光や水分に触れると変質してしまう。
  • 偶然近くの薬局で作っている水虫の薬からヒントを得た。
  • 水虫の薬の中に含まれる水分に触れても薬の性質を変えずに患部に浸透させるMPという成分。
  • MPとは、マクロゴールとプロピレングリコールを混ぜたもの。水分に触れても薬の性質を変えず患部に浸透させる。
  • 3MixにMPをたすことで治療に成功した。
  • 治療費は一般的な歯科治療並みの値段で受けることができる。ただし、3Mixには抗生物質が入っているため、患者の体質により使えない場合がある。
  • ある患者さんが3Mix-MP法でやったら痛みが増してきたとのことで、宅重先生が調べると、3Mix-MP法の偽モノであるとのこと。3Mix-MPという薬は使っているかもしれないが、神経を抜いたりしているので、「3Mix-MP法」ではない。
  • 3Mix-MP法には集客能力がある。みんなうけたいという。やるのはいいんだけれども結局うまくいかないから従来自分がやってきたやり方に戻っていく。
  • 3Mix-MP法をマスターするのに一番重要なことは、既成概念、現行の歯科治療の呪縛から解放されないといけない。
  • ある九州に住む50台ぐらいの女性の例
    • 「30年ほど前から虫歯に悩まされまして、歯医者さんで麻酔をしていただいて、その時にアレルギーだったのか急変しましてね。呼吸困難。呼吸器科の先生が飛んでこられて、この方は危篤状態というような感じで、歯医者さんにちょっと気が重くなって痛いまま困っていましたら、物が噛めないし、離乳食みたいな食事になってしまったものですから噛むということも忘れてしまっていましたから、この辺りにむくみがありましたね。」
    • 18年前虫歯がひどかったころは、歯がぐらぐらで顔の輪郭も変わっていた。その原因は麻酔ができないため、どの歯医者からも治療を拒否されていた。かろうじて残っていた歯は12本。生きる気力もなくなっていたとのこと。
    • 3年前に宅重先生の歯医者にいった。月に1回、九州から仙台に通院している。
    • 現在治療している歯は、前歯が折れていて、通常なら神経を抜いて差し歯にする。宅重先生の場合は、折れた歯に3Mix-MPの薬をおくだけ。折れた部分の象牙質が再生されるとのこと。年齢に関係なく再生する。
    • 硬度計で計ると、健全な歯は1から40で、虫歯は65から99。
    • 3年前は99だったのが、38になっていた。


3Mix-MP法が普及すると、歯の治療も気軽にできてよいと思いました。歯医者としては儲からないかもしれませんが、感謝されるレベルが違うような気がします。発展途上国でもやりやすい。これも日本から世界を救う一歩のような気がしました。